乞胸 江戸の辻芸人



乞胸 江戸の辻芸人
乞胸 江戸の辻芸人

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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江戸大道芸人の様態を生き生きと活写している

 ほんの少々昔、江戸の街角ではどんな辻芸人がどんな芸を見せていたのか。本書はそんな世界に案内してくれる。
「乞胸」は「ゴウムネ」と読む。初代長嶋磯右衛門、彼自身の解釈では「先方の胸中の志を乞い候」ということ。見世物興行(日銭稼の水商売)がなりわいであった。よく似たものに「香具師」があるが、これは売薬を主とする商人で、芸で投げ銭を得る「こじき」とは違う。
「乞胸頭書上」によると公称の家業は、綾取り・猿若・江戸萬歳・辻放下・操り・浄瑠璃などであった。
 実際は江戸庶民を喜ばせる猥雑にして愉快な表現、肉体を鍛錬したかるわざ、知恵をしぼったからくり人形、それら「わらいの文化」「ほどこしの文化」はほとんど失われてしまった。
 本書は江戸のエンターテイナーの総元締めの乞胸頭を中心に据えてはいるが、江戸大道芸人の生活が生き生きと図絵を掲げながら活写している。主役の芸人が「こじき」同然で低い暮らしであったことを考えるとき、今の芸人との格差に思いを寄せざるをえない。   



河出書房新社
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